• 9月 2, 2026

BKPとは 多椎体手術について

圧迫骨折の痛みに対する治療としてBKPがあり、今までも何回かコラムで触れてきました。そもそも、現在、淡海せぼねクリニックで手術しているのは

FESS(8mm、または10mm内視鏡)と、圧迫骨折に対するBKPだけです。

開業当初は16mm内視鏡のMEDが看板手術で、頚椎から腰椎、そして胸椎の手術も行いました。そして、何と足根管症候群の手術、椎弓根スクリュー抜去もしていました。

今は「共同体感覚」なんて言えるようになりましたが、あの時は、本当に患者さん来るんだろうか、手術する人なんか来るんだろうか、つぶれるのか、つぶれたらは借金どうなるのか、あー、と考えていました。

そしてBKPについては、思い出があります。こんなに(症例をしっかりと選べば)クリニック向きの手術なのに、2022年の開業直後、圧迫骨折の人たちが誰もBKPを受けたがらなかった。

なぜか。

そう、知らなかったのです。

背中痛くて来て→「骨折? どこが折れとん、ぽきんといっとらんじゃねえか」

BKPをお勧めしても→「しゅ、しゅ、手術?」、「セメント? セ、セ、セメント?」

痛みがとれて、つぶれるのも防げるよ→「あー?」

まあ、いいです。頑張りましょうね。という感じでした。

今、思い出すと、物事がスムーズに進まなかったことが本当に面白い。

知らないって、凄いですよね。

そんなBKP手術ですが、開業4か月くらいで1例目をやって、その後は年間30から40例くらい行っています。

BKPは、ぜひともうちに来て手術しましょう! と、お誘いする手術というよりは、

「その1週間以上治らない急性発症の腰背部痛、日本標準の検査(MRI)できちんと診断したげるから、おいで」という気持ちの延長。レントゲンでは、どれが新しい骨折かわからない

骨粗鬆症の治療と並んで、BKP手術についても説明している、という感じです。

おそらく、一般的に圧迫骨折後、BKPしない人の方が多い。

確かに、背骨の骨折をしたら「寝とけ」でよくなる人はいます。

でも、圧壊が進行した後では、元のせぼねの形に戻りません。放置して良くなりにくい骨折のMRI所見はすでに何年も前に報告されています。そういう所見を加味して、手術が必要でない人、必要な人、淡海せぼねクリニックでは治療困難な人、きっちり診断して治療法をお勧めしています。

今回、元々1回の手術で1個しかできなかったBKPが、3個までの多椎体に施行可能になったので、私見を書きますね。

BKPの目的は、対象が1個であろうと、3個であろうと変わらず、

①体動時疼痛を改善する
②圧潰の進行を防ぐ

です。癒えていない骨が治療対象です、当然。

痛みの原因となっていない、すでにつぶれて動かなくなった、ある意味治った椎体は治療対象ではありません。

どれが治っているのか診断するにはMRIとCT、レントゲンを組み合わせます。あまり細かい事はここでは触れませんが、検査は全て淡海せぼねクリニックでできます。

今回、3個のBKPを一気にやりました。

比較的若い男性で、4個の新規骨折がありました。はじめからBKP希望で来られました。

年齢や、4個同時に骨折しているという状況が特殊でしたので、骨粗鬆症専門外来に行ってもらったり、色々と事前準備をしたりしました。

もちろん、3個のうち、どれが本当に痛みの原因であったかはわかりませんが、結果は良好で、起きるときに背中の痛みが直後から取れました。

多くできるようになったから良い、という事ではなく、この3年間で、ずいぶんと患者さんの意識も、医療レベルも進んだなあ、という事です。

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