• 7月 10, 2026

「ペットボトルは飲み干せない、頚が痛いから」 姿勢が改善した頚椎椎間板ヘルニア

「じゃあ、腕の痛みしびれは改善したという事ですか?」

「人差し指のしびれ以外は消えました。でも、もっと良かったのは頚が伸ばせるようになったことです。」

「ほー」

術後のレントゲンを見直すと、術前と全然違う!

50代、口数の少ない朴訥な男性が外来に来られたのは3か月前。

3年前から左上肢の痛みがありましたが、一旦改善したり再発したり。

頚を反ると頚、上肢痛が悪化するのでペットボトルが飲み干せない、薬を水で飲めない。握力 右48㎏/左38㎏ですが、最近、左握力低下を感じるようになった。元々はもっとあるんでしょう。徐々に症状が進行し、ついに受診。

綺麗な左C7あたりの神経根症なので、迷いなく頚椎MRIを依頼。しかし、どんなに頑張っても、くびの痛みでMRIの体勢が取れない。仕方なしにCTを撮影しました。

確かに、こんな姿勢ではMRIに入れない。相当、頚が痛いのでしょう。姿勢の問題で頚椎MRIを撮れない人は相当辛いです。

後日に鎮静剤・鎮痛剤を施して撮影したMRIでは、これでも少し動きましたが、左C67椎間板ヘルニアによるC7神経根症が疑われました。

タリージェが少し効きましたが、本人の意思は強く、「はよ切ってくれ」とのこと。

手術:C6/7内視鏡下椎間板摘出術 FECF

開設動画

神経根の後ろの骨を切除し、バンドもとりました。画面右、つまり神経根の尾側の骨が少し残っていましたので、鋭匙という匙みたいなもので除圧しました。神経根の頭側、画面左のヘルニアと神経根を慎重に剥離すると、中からヘルニアがとび出てきました。これで神経根の頭側に余裕が出ました。その後は鉗子で残ったヘルニアを全摘出しました。

こんな小さな穴ですが、神経にとってはこれで十分なのです。

術後、当日、帰宅されるときの診察では、腕の痛みはだいぶん軽減していました。創部痛は少しあり、頚部痛の改善はまだわからない、と。

術後1か月後のフォローで症状の変化をお聞きすると、

「頚が伸びるわ、上向けるわ。先生、レントゲン見てよ」

術後のレントゲンだけ見ていたので、何がすごいのかわかりませんでしたが、

術前のレントゲンと比べると、確かに正常化しました!

なんで頚が伸びるようになったか。これを見るとよくわかります。

後ろから、C6下関節突起を削り、そのうえでC7上関節突起を削ります。バンドを外して神経根の頭側にあるヘルニアを取ります。術前は上関節突起、バンド、ヘルニアの3個が神経を圧迫していましたので、神経は後ろに逃げられませんでした。術後は上にあるヘルニアに押し付けられないし、後ろに逃げられます。それで首を伸ばせるのです。

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