脳神経内科・頭痛外来のご案内

脳神経内科専門医 鈴木 元(すずき はじめ)

ご挨拶とこれまでの歩み

私は京都府立医科大学を卒業後、京都大学医学部関連病院などで内科医として勤務し、特に脳神経内科を専門に診療を続けてまいりました。対象となる疾患は、パーキンソン病などの神経変性疾患、頭痛、認知症、脳卒中など多岐にわたります。脳神経内科は、脳・脊髄・末梢神経・筋肉など「神経の働き」をみる内科であり、背景となる全身疾患を幅広く診ることが求められる分野です。

日常診療では、「慢性的な頭痛」「原因がはっきりしないめまい・しびれ」「歩きにくさ」「物忘れ」など、年齢や体質のせいと思い込み、我慢しておられる方が多いと感じています。そうした方々が“まず相談できる身近な神経内科”を目指したいという思いから、このたび当クリニックに参画いたしました。

診療で大切にしていること

私が日々の診療で心がけていることは、次の3点です。

  • 丁寧な問診と原因を探る姿勢
    症状の背景には、その方の生活や体質など多くの要因が関わっています。頭痛一つをとっても原因は300種類以上あり、「いつものことだから」と受診を控える方も少なくありません。問診・診察・必要に応じた検査を組み合わせ、原因を一緒に探っていくことを大切にしています。
  • 薬だけに頼らない、全体を見渡す診療
    薬物療法だけでなく、姿勢・睡眠・食事・運動など、生活の質を支える要素を重視しています。特に当クリニックの“せぼね(脊椎)”専門外来と連携し、脊髄や末梢神経に関わる症状にも内科・外科の両面から対応できる体制を整えています。
  • 気軽に相談できる「身近な専門医」であること
    「こんなことを相談していいのかな」「年のせいかな」とためらう方にも、安心して話していただける雰囲気を大切にしています。まずはお話を伺い、必要な検査や治療を一緒に考えていきます。高血圧や糖尿病などの生活習慣病も、神経疾患の背景として丁寧に診てまいります。

この外来で力を入れていること

次のような症状がある方は、早めの受診をおすすめします。

  • 繰り返す、あるいは突然起こる頭痛
  • 原因がわからないめまい・ふらつき
  • 手足のしびれ、動かしにくさ、ふるえ
  • 物忘れや注意力の低下
  • 脳卒中の既往や再発予防の相談
  • 「首や腰が関係しているのでは」と感じる神経症状

せぼね(脊髄)の問題を含む脳神経の疾患を総合的に判断し、「どこに相談したらいいのかわからない」方にも最適な対応を心がけています。

私の診察スタイル

医師として心に残っている出来事があります。以前勤務していた病院で外来を引き継ぐ際、前医から「重要な患者はいません」と言われ、強い憤りを感じました。体調の不安を抱えて来院される方は、どなたも大切な患者さんです。その思いを原点として、「ゆっくり・丁寧・わかりやすく」を診療の基本にしています。

初診では症状をじっくり伺い、診察後には可能な限りわかりやすく説明します。「先生に診てもらってよかった」と感じていただけるよう、医学的根拠を踏まえつつ、その方の生活を大切にした治療を心がけています。また、通院を続けられる方とは、患者さん・ご家族・医療スタッフが“チーム”として協力し、より良い状態を目指していきたいと思っています。

みなさまへのメッセージ

頭痛、めまい、しびれ、物忘れ――こうした症状は、つい「年のせい」「そのうち治る」と思って受診を先送りにしてしまうことが少なくありません。しかし、早い段階で専門医が関わることで、症状の改善や進行の予防につながることが多くあります。

当クリニックでは、脳神経系の障害・体全体の不調・生活習慣の三つの視点から、総合的に診療を行っています。「何科に行けばいいのかわからない」「まず話を聞いてほしい」――そんなときこそ、どうぞお気軽にご相談ください。

私は、患者さん一人ひとりの声に耳を傾け、生活に寄り添いながら、より良い方向を一緒に考えていくことを大切にしています。みなさまがこれからの毎日を少しでも快適に、安心して過ごせるように――そのお手伝いができれば、医師としてこれ以上の喜びはありません。