日帰り・ミリ切開・保険適用のせぼね手術

当クリニックの手術は原則「日帰り」「ミリ切開」「保険適用」です。全内視鏡下脊椎手術(FESS法)やBKP法を用いた低侵襲手術により、手術当日に独歩でお帰りいただけます。保険適用になりますので、最小限の自己負担で済みます。

主な手術方法

FESS法、BKP法

FESS法(Full-Endoscopic Spine Surgery)=全内視鏡下脊椎手術

FESS法で使用する道具(図G)

椎間板内に①ガイドワイヤーを入れ、これに沿って②ダイレーターを入れ、それにかぶせるように8㎜の③外套管を入れます。これで手術の準備が終わり、③の中に④内視鏡を入れ、さらにその中に⑤の鉗子やドリル類が入り、ヘルニアや椎弓、靭帯に迫ります。

図G 図G
FESS法の手術風景
  • A: メスでわずか8mmの切開を行います。
  • B: ダイレーターをせぼねにあてます。
  • C: ダイレーターに沿って、直径8mm外筒をせぼねの表面に置きます。
  • D: 内視鏡をその中に入れて、さらにその中に道具を入れて作業を行います。
  • E: 4Kモニターで術野を画面いっぱいに拡大して行います。
FESS法の手術風景

適応疾患:腰部脊柱管狭窄症、腰椎椎間板ヘルニア、頚椎症脊髄症、頚椎椎間板ヘルニア
FESS法とは「全内視鏡下脊椎手術」です。直径8mmの細い筒の中に内視鏡が入り、さらにその中の直径4.1mmのスペースから鉗子や骨削除用のドリルを入れて行う最小侵襲手術の総称で、身体にやさしい手術方法です。腰椎や頚椎の除圧術で用いられ、日帰りでお帰りいただけます。FESS法の代表症例として以下の例を挙げます。

  1. 腰椎椎間板ヘルニア
  2. 腰部脊柱管狭窄症
  3. 頚椎椎間板ヘルニア
  4. 頚椎症性脊髄症
①左L5/S1腰椎椎間板ヘルニア 50代女性 左下肢痛

半年以上外来にてブロックを施行するも、痛みが悪化し、手術を希望。局所+硬膜外麻酔下に腰部正中に8mm切開を加え、ヘルニア摘出。直後から下肢痛が消失した。

  • 術前MRI: 左L4/5椎間板ヘルニア。明らかな脊柱管狭窄は伴っていません(図E)
  • 術後MRI: ヘルニアが摘出され、血抜きの管(ドレーン)が入っています(図F)
MRI:術前→術翌日 椎間板ヘルニア(黄矢印)が消失した MRI:術前→術翌日
②L3/4腰部脊柱管狭窄症  79歳男性 両側臀部大腿裏面痛

1年前から6m歩行で痛みのために座り込む。頻尿で寝てから3回トイレに行く。妻が当クリニック手術で治ったのを見て自らも手術を希望。局所+硬膜外麻酔、正中8mm切開で手術。術後、日帰り。その後、背中が伸びて歩行は1時間以上できる様になった。

MRI: 術前→術後 黄色靱帯(黄矢印)が摘出され、脊柱管が広がっている。 MRI:右C6/7
③右C6/7頚椎椎間板ヘルニア 53歳女性

右肩甲骨・肘痛、1-3指痺れ、握力低下、痛みで上を見上げられない。全身麻酔で頚部後方正中に8mm切開を加え、C67椎間孔のみにアプローチ。術当日退院。右手痺れはしばらく残存するも、痛みは直後から、母指の脱力は2週間後から改善した。頚部痛は全く認めず。

MRI:右C6/7椎間孔にヘルニア(黄矢印の間:椎間孔の白い脂肪が消失している)。術後、脂肪が見えるように。CTでは右C67椎間孔が開放されている。 (図E・F) (図E・F)
④C5/6頚椎症性脊髄症 43歳男性 システムエンジニア

半年前に長時間パソコン作業をしてから右手の痺れ、歩きは時々おかしい、シャンプーで上を向くとふらふらする、右肩の強い痛み、箸が使いにくい。MRIにてC5/6頚椎症性脊髄症と考えられた。全身麻酔、8mm切開にて右から侵入。術後、痛みは直後から消失、続いて箸が使えるようになった。痺れは徐々に改善し、4ヶ月後には消失した。

MRI、CT:術前→術後 黄矢印で脊髄が圧迫されていたが、赤矢印のように除圧された。 MRI:右C6/7

BKP法(Baloon Kyphoplasty)

BKP法とは経皮的バルーン椎体後弯矯正術と訳されます。椎体形成術とも言います。骨折後の椎体内の微妙な動き、または提示した症例のように椎体がはっきりとワニの口のように臥位では開くが座位では閉じるような偽関節症例が適応です。多くは即時的な除痛が得られますが、完全に除痛されるまでに数日かかる場合もあります。今まで軟らかかった骨がいきなり硬くなるので、周囲の骨がその環境に慣れるのに時間がかかります。手術当日にご帰宅いただけます。BKP法の手術の流れをご説明いたします。

    (図A・B・C・D・E) (図A・B・C・D・E)
  • 手術は25分の全身麻酔で行います(図A)
  • シンプルに太めの針を椎体に入れていきます(図B)
  • これがBKPセットです(図C)
  • バルーンの拡張とセメント注入時です。赤矢印は偽関節部です。ワニの口のように開いています(図D)
  • 徐々にセメントが充填されていきます。偽関節部が適度に開大し、いい形で形成されました(図E)
    (図F・G) (図F・G)
  • 術前レントゲン:体重がかかると閉じますが(図F)
  • 術前CT:寝ると口を開きます(図G)
    (図H・I) (図H・I)
  • 術後レントゲン(図H)
  • 術後CT(図I)
  • 術前CT:寝ると口を開きます(図G)
    (図J・K) (図J・K)
  • 手術数日後にかゆいから、ということで受診されました(図J)
  • かさぶたが取れればさらに創は見えにくくなります。痛みは取れ、寝返りができるようになりました(図K)

自費・15分・針孔手術

PLDD法(Percutaneous Laser Disc Decompression) ・リゾトミー法

椎間板の中の髄核に刺したレーザーファイバーからレーザーを照射して髄核を蒸発させ椎間板ヘルニアを治療する方法です。対象疾患は腰椎・頚椎椎間板ヘルニアです。切開は必要なく、針孔のみで施行可能で、きわめて低侵襲です。
リゾトミー法とは椎間関節・仙腸関節症・上殿皮神経障害の治療法です。過敏状態となった知覚神経枝を同様に焼灼し、疼痛を治す手術です。これも針孔手術です。手術当日にご帰宅いただけます。PLDD法、リゾトミー法ともに手術時間は15分、病院滞在時間は2時間で十分です。代表症例を提示し、手術の流れをご説明いたします。

C3/4頚椎椎間板ヘルニア

40歳男性 2年前から左顔面・頚・上肢に鉄の棒を刺されたような痛みとめまいで休職中。ペインクリニックで様々な治療無効。頚椎ヘルニアに対してPLDD法を希望された。術後、疼痛とめまいが改善し、職場に復帰。

手術風景:局所麻酔、仰向け、右前頚部から刺した針中にレーザーファイバーを通し、C3/4椎間板を焼灼した
手術風景
MRI:術前→術後6ヶ月 椎間板ヘルニア(黄矢印)が消失した
MRI:術前→術後6ヶ月

手術回復室

手術回復室

当クリニックには県が認定した許可病床はありません。そのため、大きな切開を加えるようなせぼね手術はできません。2024年7月現在、月に30件近くの手術を行い、うち14件程度は全身麻酔ですので、おそらく近い将来、滋賀県は入院病床を許可していただけると考えます。そのような状況ですが、内視鏡を用いた日帰り手術には十分に対処できる広々とした完全個室をご用意しました。衣服ロッカーのみでなく、テレビや冷蔵庫、そしてトイレも完備しています。安心して手術を受けていただき、快適に術後をお過ごしいただけます(図参照)。

手術時間

FESS法(8mm切開 内視鏡手術 保険適用) 60~120分
BKP法(3mm切開 針孔手術 保険適用) 25分
PLDD・リゾトミー法(針孔手術 自費) 15分

手術費用

内視鏡手術、BKP手術はすべて保険治療で行っています。日本では月にお支払いいただく上限額が以下のように決まっています。当クリニックで手術を受けられる方の月にかかる医療費は大体50万円以下、複数手術を受けたりして、多い方で80万円程度です。

3割負担の方 15万円から25万円ほど
2割負担の方 10万円から16万円ほど
1割負担の方 5万円から8万円ほど

実際のお支払額は以下の通りですが、以下の表に基づき、安いほうが採用されます。

70歳以上の上限額 69歳以下の上限額

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