頭痛外来について
頭痛外来は、頭痛の症状に悩まれている方を対象にした外来です。頭痛の症状については大きく2つに分類されます。ひとつは、命に係わらないとされる(頭の中に明らかな病変のない)一次性頭痛です。もうひとつは、命に係わるとされる(頭の中に明らかな腫瘍、血管病変、髄膜炎などの病変がある)二次性頭痛です。頭に痛みを覚えた場合、頭の中に何かが起こっているのではないか、と心配されますね。これは言い換えれば二次性頭痛ではなか、と言い換えられます。この見極めが重要になります。頻度が高いものは一時性頭痛である筋緊張性頭痛や片頭痛であり、その多くは合併しています。
診断について
頭痛の診断につきましては、まず詳しい問診をいたします。さらに詳細な検査が必要という場合はMRIやCT なども行うなどして、慎重に頭痛のタイプを判断します。このようにしっかりと診断した後に治療を行います。当クリニックでは頭痛を身体全体の問題としてとらえ、内服や点滴、ブロック注射も行います。なお、多くの場合、一次性頭痛と診断されることが多いのですが、くも膜下出血や脳出血、脳梗塞などの二次性頭痛で緊急手術などが必要になることもあります。その場合は、専門医療機関に救急搬送依頼をいたします。
片頭痛
慢性的なストレスから解放されたり、過度の睡眠をとったりすると、脳の血管が急に拡張してしまい、頭の左右どちらかにズキンズキンと脈打つような片頭痛が起こります。吐き気を伴うことも少なくありません。痛みは数時間~3日間ほど続きます。主な原因は、疲労やストレス、飲酒、寝不足、寝すぎ、光刺激などです。20~40代の女性に多くみられることから、女性ホルモンも関係していると考えられています。頻度が多ければ予防薬が有効です。発作時、可能ならば予兆の段階で治療薬を内服します。2021年から本邦では抗CGRP抗体の皮下注射療法が始まり、劇的な効果を認めています。当院では抗CGRP抗体治療が可能です。
緊張型頭痛
緊張型頭痛は、頭や首の筋肉が緊張したり、収縮したりすることで起きる頭痛です。頭が締め付けられるような痛み、首から後頭部にかけて強い痛みを感じるようになります。患者様によっては、めまいや立ちくらみが起きることもあります。主な原因は、同じ姿勢を長時間続けたことによる肩こり、血行障害による首のこり、ストレス、眼精疲労などです。いずれにしても、頚椎の配列、ひいては胸椎・腰椎を含めた全脊椎のバランスが影響しています。スマートフォンやパソコン使用などの生活習慣も関連しています。
群発頭痛
群発頭痛は、目の奥で激痛が起きるタイプです。比較的に若い男性によく見受けられます。痛みは頭部の血管拡張が原因とされ、それを引き起こす原因としては、飲酒、喫煙、血管拡張薬の使用などが考えられています。年に1~2回ほどの間隔で発作が起こり、痛みが1度出ると数日から数週間続きます。また、その頻度は1日1回程度で15分~3時間程度続くと言われています。
二次性頭痛
二次性頭痛には、くも膜下出血、脳出血、脳腫瘍などがあります。このうちくも膜下出血は、脳の血管が破裂し、くも膜下腔に出血がみられます。これにより、嘔吐やけいれん、意識消失、非常に強い痛みがいきなり起こります。脳出血は、脳内の細い血管から出血してきます。意識障害、手足のしびれ、物が二重に見える、吐き気・嘔吐などの神経症状が現れます。こうした症状はくも膜下出血と似ていますが、必ずしも痛みを伴わないのが特徴的です。脳腫瘍は、頭の内部にできた腫瘍が大きくなることで脳の神経を圧迫し、頭痛を引き起こします。脳腫瘍による頭痛が突然起こることは少なく、数週間から数か月をかけてじわじわと痛みが強くなっていきます。頭部の圧迫感や鈍い痛みが続き、手足のしびれ、麻痺、言語障害、嘔吐、手足のけいれんなどが現れることもあります。
このようなときはすぐにご受診ください
下表のような頭痛が生じたときは、二次性頭痛が疑われますので、すぐに救急医療機関にご連絡いただくか、当クリニックをご予約ください。
- 突然の頭痛。
- 今まで経験したことのない頭痛。
- いつもと様子の異なる頭痛。
- 頻度と痛みの程度が増していく頭痛。
- しびれや痙攣を伴う頭痛。
- 嘔吐を伴う頭痛。