漢方外来について
院長は漢方医療に何年間もあこがれをいだいてきましたが、どんなセミナーを聞いてもなぜか全く頭に入らなかったのです。院長にとって、漢方の師匠は、なんといっても新見正則先生、冨澤英明先生です。彼らの著作に出会ってから、漢方薬はほんのわずかな落とし穴にはまらなければ、かなり自由に、創造的に処方可能であることが分かったのです。また自分に、家族に処方して効果を実感し、慎重に患者さんに処方させていただいてフィードバックをいただき、経験を積みました。漢方の魅力は何といっても懐の深さというか、バリエーションの豊富さです。例えば「痛み」、というものに対して血流不足による痛み、うっ血による痛み、筋緊張による痛み、水のアンバランスによる痛み、神経障害による痛み、冷えによる痛み、くよくよした痛み、秘めたる怒りの痛み、上半身の痛み、下半身の痛み、などそれぞれに違う処方があるのです。
漢方薬について
「漢方薬」とは、牡蠣や哺乳類の骨、シナモン、しょうが、山椒、朝鮮ニンジンや木の皮、植物の根っこなどの生薬を組み合わせて作られる薬剤のことです。以前は主に煎じて作られていた漢方ですが、現代ではエキス顆粒として処方できます。飲みにくいと評判の悪い漢方薬ですが、昔に比べたらずっと飲みやすいのです。
漢方薬の服用方法
漢方薬はお湯に溶かして、通常は食前30分か食後2時間に1日3回服用、というのが原則ですが、多くの漢方専門家が食後内服でもそれほど効果は落ちないと報告しています。食前で忘れたり、腹が膨れてしまうという理由で飲めないよりは、食後でもいいから飲みましょう。会社に出社する人は1日2回で処方することが多いです。
漢方薬が適している症状や疾患
西洋医学の病名にとらわれず、症状に基づいて診察し漢方薬を処方します。様々な症状に対応し、西洋薬と併用することも可能です。インフルエンザなどの感染性疾患、精神不安、不眠、皮膚病、食欲低下や便秘などの消化器症状、肩や膝などの整形外科疾患、疲れ、滋養強壮、アンチエイジングなど、漢方はとにかく幅広くて奥深いのです。