- 8月 2, 2026
「破骨細胞の炎を消せ、それから骨づくり」
‐プラリアの出口戦略はイベニティではない‐
乳がん治療に伴って2025年3月まで長期間プラリア使用。その後放置。
12月に背部痛で初診。T12新規圧迫骨折。
私は診察し、「プラリア後に放置されたのだから、これはまずい」と思いました。
骨折の危険性の高い骨粗鬆症という事でイベニティを開始しました。当時の私は、「骨を作ること」が最優先だと考えていたからです。
プラリアというのは骨粗鬆症のお薬、骨吸収抑制薬です。半年に1回注射すればよく、内服のビスホスフォネートよりも効果が高い、そういう意味ではめちゃくちゃいい薬。安いし。乳がんで女性ホルモンを抑えている人は骨粗しょう症予防に長期間使用することもあります。いい薬ですが、それなりに副作用もあります。そしてやめると一気に破骨細胞が活性化して骨粗鬆症が進行するというやばい面もある。だから、乳がん完治の後、プラリアをやめた時などは出口戦略が重要。
ガイドラインでプラリア後はビスホスフォネートが良い、とありますが、実感をもって理解していないのですね。そんなこと言ってもイベニティがいいに決まっている、と頭にしみついているのです。薬品会社の人に聞いても、「一応、ガイドラインはビス」というが、なかなか納得できない。
その後、1月、5月に新規骨折。計5椎体。全然予防できていない。旦那さんも怒ってくる。まあ、怒るわね。

「本当にこれで良かったのだろうか、ビスねえ?」そんな疑問が頭から離れませんでした。
昨日、骨粗鬆症の専門家に「プラリア後の骨折にはイベニティはどう思われますか」
と質問しました。返ってきた答えは印象的でした。
「エビデンスはありませんが、骨量だけではなく骨構造を考えても、私はイベニティを使いたい。」(まあ、イベニティの会だったんですけどね。)

そうは言っても、専門家としての経験に基づく意見でした。私は納得しました。
一番やってる人が言うんだから、将来はガイドラインもこうなるかもしれない。
帰って、週末で疲れ果てていましたが、もう一度いろいろプラリア後の骨折、骨粗鬆症治療について、しっかりと調べました。
よくわかったことは、(今までもいろんなものを読んでわかっていたのですが、納得いかなかったのです)、プラリアを中止した直後の患者では、まず最初に止めるべき敵は
「骨吸収の暴走」

プラリア後には、破骨細胞が一気に活性化し、骨吸収マーカーは急上昇し、
短期間に多発椎体骨折を起こすことがあります。
つまり、火事になっている家で、新しい柱を建てようとしていたようなもの。
まず消火(破骨細胞の嵐を止める)。それから建築(骨作り)。この順番だったのではないか。このイメージがやっとわかった。
そのうえで、今なら、まずリクラスト(強力なビスホスフォネートで1年に1回注射するだけ)で
「骨吸収の炎を消すこと」
を第一に考えます。骨吸収マーカーを採血しながら、骨吸収の火が消えたと判断したら、内服ビス、またリクラスト、必要なら骨形成のイベニティ、という方法。
病態生理を考えると、こうだろう。
そんなことはガイドラインに書かれていましたが、やっと本日、納得がいきました。