- 6月 25, 2025
医者が選ぶ日帰り内視鏡脊椎手術 2025年前半編
2025年6月25日水曜日
今日は4例の内視鏡脊椎手術があります。1例はヘルニア、残り3例は腰の椎弓形成術、うち一人は2か所です。いよいよ頑張らねば。
今年前半で治療させていただいた3人の医師について書かせていただきますね。 表題は「医者」にして少しキャッチ―にしました。3人ともにバリバリの働き盛り。勤務医1名と開業医2人ですが、皆様仕事への情熱は半端なく、「休めるか!」というメラメラな感じでした。
しかし、しびれ、痛みが強く、熟慮に熟慮を重ねて受診されました。 術前は非常に重要なので、手術に至るまで2回ほど面談していますが、術後診察は2回、1回、最後の方は0回です。仕事復帰は翌々日2名、翌日1名です。
40代 男性 頚椎症性脊髄症 C34+C56 内視鏡下椎弓形成術(MED)
他府県勤務の医師; 1年前から頚部後屈で両上肢にしびれが走る。自覚的に手の動きは問題ないが、リハ精査で左手の巧緻運動障害を認めた。MRIではC34、C56に強い脊髄圧迫所見があり、C34では髄内高信号領域を認めた。
手術:C34+56MECL施行
術後後屈での上肢しびれ消失を確認。翌日退院。その翌日から勤務開始。 1週間後に受診し、創部の確認。「しびれなし、頚後屈でも」。

50代 男性 頚椎症性神経根症 C67+C7T1 内視鏡下椎弓形成術(FESS)
関西圏の内科開業医。 2年前から左肩甲骨の激しい痛み、左上肢しびれで神経根ブロックを複数回施行。開業したばかりで休業はかなりしたくない。C67病変を第一に考えたが、C7T1病変も怪しい(小指にもしびれ)ため、2病変手術となった。
手術:C67+C7T1 FECF施行。日帰り、次の受診は2週間後。
肩甲骨部痛は直後に消失。2週間後に受診。「術前8の上肢しびれは1週間後には2に改善。手術翌々日には胃カメラしていました」

60代 男性 両側上殿皮神経障害 上殿皮神経リゾトミー
他府県の開業医。 10年以上前からの両側殿部痛。タリージェ、トラムセット無効。座位と立ち上がりで痛みがあり、歩行では改善される。他院では腰椎手術を勧められた。十分に坐骨神経痛については勉強しておられた。 MRIではL34狭窄、L45辷り+ヘルニア+狭窄は明らか。
上殿皮神経、仙腸関節、中殿皮神経、梨状筋すべてがそれなりに強い圧痛を認めた。 正直、私はL45ヘルニアによる症状を第一に疑い、「XLIFなどの腰椎固定手術が良いのではないか」、と提案した。しかし、本人の強い希望で両側上殿皮神経ブロックのみ施行、有効。 1週間後、クリニックが午後から休みの木曜日に受診。「上殿皮神経ブロックして、翌日まで非常に効果があったので、この部分のリゾトミーをしたい」。
2週間後の木曜日、外来枠16:30から17:00の間に手術施行。
手術:両側上殿皮神経リゾトミー
手術中から、「あっ、良くなった」と改善を自覚。17:30までにお帰り。

淡海せぼねクリニックでは開業した最初の3か月の時点で、健康保険で施行可能な内視鏡下椎弓形成術、内視鏡下椎間板摘出術に対する自費手術をやめました。以後、それらはすべて保険手術です。
そして1泊を要する16ミリMED手術を最小限にして、ほぼすべてを日帰りによる8ミリFESS手術に切り替えました。 ホームページ以外に特別な宣伝、看板は全くありませんが、手術を希望される患者さんは毎日多く来ていただいています。
相手が医師であってもなくても手術は全力投球です。患者さんの安全、満足を第一に、そして、できればスタッフを17:30までに帰らせたい。
今日もよろしくお願いいたします。