- 2月 24, 2026
クラブ見学で腰椎分離の治癒が妨げられる
中学生、サッカー選抜レベル、2か月前から両側、最近、右の腰痛になってきた。
後屈時痛あるも練習をしている。接骨院から紹介で受診。
CT、MRIを即時に撮影し、受診から1時間以内で完了


CTでわずかな骨折線、MRIでは両側L5椎弓根に脂肪抑制画像で高信号を認めた。
診断は初期腰椎分離 西良教授の結果では3か月安静、硬性コルセットで>90%骨癒合
腰椎分離症のup to date | 淡海せぼねクリニックブログ
しかし、実際はもっと癒合しない子が多いです。ほかの脊椎外科医としゃべると、「90%はなー、ちと高い」、となります。リハとのカンファでは、結構、安静ができていない可能性が示唆されました。今、データをとっているところですが、確信があります。
「クラブ見学で腰椎分離の治癒が妨げられる」
と仮定しました。私の調べる限り、だれも言っていません。淡海せぼねクリニックで多くの患者さんを診ている私の単なる印象です。子供、親たちの話を聞くと
- クラブの先生が分離症を理解しているかどうかが疑わしい
- 見学をしても何らかの持ち運びなどはさせられる
- 見学中に、自分のために筋トレをできていることは少ない
- 見学で時間をとられ、家に帰ってから改めて筋トレの時間はとれない
- 体育の授業を休むと単位は取れるのか
- ただでさえリュックサックが重い、これは良いのか
私にできるのは、3か月の安静期間に
しっかりと硬性コルセットで骨折を治癒させること、
ハムストリングスなど、腰椎周辺のストレッチをして腰椎自体に負担をかけない事
リハの指導の下、体幹筋肉をしっかりとつけて、今後、腰椎を守る事
これもリハ指導の下でスポーツコルセットへの移行をする事
そして腰椎骨癒合のために「クラブ見学をさせない」こと
賛否両論あるとは思いますが、クラブの顧問、練習を仕切る生徒に理解を求めることができないのであれば、意志の決して強くないこの世代の子供を練習場に放つのは一番のリスクだと思います。
はじめに登場した中学生について追記します。全て初診日のことです。
CT、MR撮影は本人も親もOK
その後です。
「分離初期です。治るチャンスのある状態という事です。硬性コルセットを作成し、装着することで、壁のポスターのように3か月安静で90%は癒合するとされていますが、経験ではもっと癒合率は低いです。リハビリで体幹筋力、腰椎周辺の筋・関節の柔軟性を診ます。そして腰椎に負担のない、一生運動できる身体づくりを目指します。

これは独断と偏見かもしれませんが、私の経験からすると、クラブの見学は癒合を妨げるリスク因子です。見学している本人がどこまで安静にできるかどうかを、顧問の先生にお任せすることはできません。本人の意思は正直言って、全く信用できません。これをどれだけ、本人、親御さんに言っても何も変わらないので、今日は診断書を書きます。学校に出すかどうかはお任せします。『腰椎分離症 クラブの見学はしないことが望ましい』」

本人)見学ダメなんですか?
親)3か月か―
本人)週1回の見学もダメですか?
親)体育の単位は? 自転車通学は良いの?
まあ、いろいろあります。すべてに答えは用意できていません。個々で考えるしかない。
そして少しでも腰椎分離症についてクラブ顧問、学校の先生が理解してくれることを望みます。

追加ですが、大学生の時に、中学生の塾バイトをした時に知った知見です。中学生には、はじめ仲良く、その後厳しく、は絶対に無理。はじめビシッとして、あとから少しずつ仲良く、はあり得る。最初の日にビシッと言わないとグダグダになって、あとから厳しくいっても絶対に聞いてくれません。今回は初診日に診断書まで書きました。今後はしばらくそうしていくつもりです。