- 2月 7, 2026
整形外科通院のベテランが離さない漢方、それは「桂枝茯苓丸加薏苡仁」
漢方おもろいわー
色々言いつつも来てくれているAさん。
もちろん、うちに来るまでに大きな病院も整形クリニックもかかっていました。経験豊富ですから、掲示物の表示にも厳しいです。舌鋒鋭い! いろいろご指導ありがとうございました。
そんなAさんが「これだけは出してくれ」と言ってくれるのが125番 桂枝茯苓丸加薏苡仁。これを紹介させてください。「加」は勿論加えるという意味。つまり、桂枝茯苓丸+薏苡仁です。

- 桂枝茯苓丸はドロドロに滞っている静脈血を流してくれる。これのみなら月経不順や更年期、そして打撲傷に適応があります。
中身は牡丹皮、芍薬は綺麗な花の根っこなど。桃仁は桃の種。
茯苓はマツの根に付着する菌核、ここまでくると、もう?です。何故これで汚い血が流れるの? でも桂枝茯苓丸25は漢方の中では基本中の基本。女性のメイン3処方のうちの一つです。

- 薏苡仁はハト麦です。ハトムギ茶のハトムギです。筋肉痛、関節痛に効きます。
このお薬を使うようになったのは、もちろん冨澤先生の著作からです。

冨澤先生の基本処方は(私の読むところによると)
- 桂枝茯苓丸加薏苡仁125:筋肉関節の基本
- 治打撲一方89:骨損傷 戦国時代の漢方。打撲、骨の損傷に効く
- 越婢加朮湯20:急性期最強の痛み止め:鎮痛作用のある麻黄を最も多く含む
- 桂枝加朮附湯18:慢性期の痛み。トリカブト(鎮痛作用)含有
- 五苓散17:急性期の神経浮腫をとる。これに柴胡(抗炎症)を加えると柴苓湯114。
- 芍薬甘草湯(痙攣)や葛根湯(上半身の筋肉筋膜痛)は言わずもがな。
この本が上梓されたのが2023年5月です。すぐに手に入れて熟読。少しずつ、注意深く漢方を使い始めました。
漢方での副作用は
- 甘草が多すぎて浮腫んだ患者さんは苦い経験です。体重まで増えてしまう。注意していても、たまにいます。今まで経験は2人くらいでしょうか。
- 麻黄で血圧が上がる→越婢加朮湯、葛根湯も。数人おられました。全然血圧上がらない人のほうが多いです。今のところ患者さんの理解があって問題ありません。
漢方はメチャクチャきつい痛みの急性期にはやはり効きません。効いているのかもしれないけど、単独では厳しい。なんでも難しいけどね。漢方は魔法ではないです。こむら返りには堂々と第一選択で芍薬甘草湯を使いますが、痛みやほかの症状に対しては、こそっと「この漢方も試してくれない♡」くらいで出しています。なぜか西洋のお薬が効く時よりも漢方が効いた時のほうが嬉しいんですね。なんでだろ。そんなこんなで、こそーっと出して、よかった人はAさんみたいにずーっと使ってくれたりします。最近はめまいに使った苓桂朮甘湯で生理前後の身体のむくみが治って大喜びの人もいました。
漢方おもろいわー。出してほしい漢方あったら一緒に考えましょうね。