• 2月 13, 2026

使いやすくて効果の高い骨粗鬆症治療薬プラリアのエビデンス

骨粗鬆症の事をよく触れます。何故なら骨粗鬆症に対する治療薬がたくさんあり、どの薬剤もメリットをアピールしますので、難しいのです。今回の選挙のように、他の候補の悪口をけちょんけちょんに言う人はいませんが、それでも少ない副作用を強調して迷わされることは多いです。

私の良く使うお薬は

  • イベニティ(骨形成促進+骨吸収抑制)
  • オスタバロ(骨形成促進)
  • プラリア(RANKL、骨吸収抑制)
  • ボンビバ(ビスホス、骨吸収抑制)注射と内服
  • ビビアント(エストロゲン受容体調節)
  • エディロール(ビタミンD3)
  1. 効果 イベニティ、オスタバロ>プラリア>ボンビバ>ビビアント、エディロール
  2. 手間 ボンビバ(月1内服)>エディロール(毎朝)、ビビアント(毎朝)>プラリア(半年に1回注射)>イベニティ(月1注射)、ボンビバ(月1注射)>オスタバロ(毎日自己注射)
  3. 金額 イベニティ>オスタバロ>他
  4. 適応 一番値段と効果の高いイベニティが最も厳しく、次にオスタバロ、他は「骨粗鬆症」のみ。エディロールは他剤と併用できるので、ベースとしてほとんどの人に投与しています。副作用がない限りは。
  5. 副作用 骨吸収抑制薬の顎骨壊死、非定型的大腿骨骨折、中止後の骨密度低下、悪心

イベニティ、オスタバロは効果が高いが1年、1.5年の期間限定使用

イベニティの有効性は以前触れました。

骨粗鬆症性骨折は折れたら終わりじゃない!始まりだ! | 淡海せぼねクリニックブログ

ただ、使えるのは1年間のみです。1年で骨密度を高めて、その後、骨吸収抑制薬で維持する。70歳以上を骨粗鬆症リスクとするとそのうちの1/20くらいの期間しか使わないのです。

オスタバロも骨密度上昇効果が非常に強いです。毎日注射の手間に慣れればよいのですが、高齢者には家族のフォローが必要。また、これもわずかに1年半のみです。

という事は、骨粗鬆症治療期間の大半はイベニティやオスタバロなどの骨形成促進薬(イベニティは骨吸収抑制も)ではない薬を使うのです。

治療のメイン:プラリア、ビスホスについてのエビデンス

半年に1回注射のプラリアは手間が楽でボンビバなどのビスホスより効果が高い。もちろんエビデンスあり。いいに決まっている薬だけど、副作用(顎骨壊死、非定型的大腿骨骨折、中止後の骨密度低下)により使いにくいという事を以前に上のコラムで書きました。非定型的大腿骨骨折、つまり大腿骨が骨粗鬆症による脆弱性骨折ではなく、固くなってぽきんと折れるのです。その為、プラリアを3年で一旦やめなければならないという噂を聞かされて、困りました。顎骨壊死の問題もあります。それに対して10年間プラリアを使い続けたというエビデンスを示します。この試験があるという事は、その時点で10年投与しても安全という事です。でなければ調査は中止になります。

FREEDOM延長試験(プラリア投与10年間)

10年間にわたり腰椎・大腿骨の骨密度が上昇し続けた。
10年間で非定型的大腿骨骨折はわずかに2例(人年法:1万人を1年間治療して0.8人)。リスクが年々高まるという事はなく、そもそも10年間で2人のみ。
顎骨壊死は13人。少ない。

プラリア長期投与で効果が頭打ちになったり、大腿骨が折れやすくなって途中でやめなければいけないという事は「ない」。

顎骨壊死は大体0.1%で少ない。これを恐れて骨粗鬆症治療をしないのは交通事故を恐れてシートベルトをしないのと同じ、とよく言われます。そうは言っても、顎骨壊死のリスクがプラリアを使っていないときよりも高まることは間違いない。

骨粗しょう症治療薬による顎骨壊死について | 淡海せぼねクリニックブログ

プラリアの効果は6か月続きますので、抜歯の予定があれば

のようにプラリア注射の4か月後で抜歯を計画すると、抜歯の2か月後の6か月でまたプラリア投与が可能、何かあっても7か月くらいで投与可能だから、それほど骨密度が下がらない、とされています。

でも患者さんは抜歯の予定があればプラリアを嫌がります。わかります。なので、私は抜歯の予定がわかっている人は、プラリア投与の6か月後、すなわち「次は何にするか?」という選択ができるときに、あえて1か月製剤のボンビバ注射、または内服にします。プラリア後にビスホス投与すると骨折リスクはかなり抑えられます。

ビスホスを投与しないのが一番下の線です。

プラリア中止後の骨密度低下 DEFEND延長試験

先にも触れましたが、プラリアは投与中止後に骨密度が急激に下がります。24か月間の治療(最終投与は18か月)をして、骨密度は、当然18か月で打った注射の効果がある24か月まではどんどん上がりますが、その後、24か月をピークにどんどん下がり、24か月の12か月後、つまり、最後に打った18か月後には、骨密度上昇効果が帳消しになります。それ以下には下がりませんが。

プラリアは良いお薬ですが、中止後に骨密度が下がり、骨折リスクが上がります。

ですから、病院で半年に1回注射するプラリアを続けられない患者さんは、内科でビスホスを処方してもらって飲めば、かなり大丈夫、という事です。

プラリアのメリットを宣伝すると他社の担当者の方がいろいろと、また新たな知見を教えてくれます。楽しみに待ってますねー

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