• 12月 26, 2025

腰椎分離が完成すると→分離辷り→椎間孔狭窄→腰痛と下肢のしびれ

だから何とか安静と硬性コルセットで引っ付いてくれ!

2025年11月、12月の分離症例

A君、15歳の男の子、見るからに運動神経の塊みたいな明るい子。分離症判明、初期というより進行期。骨癒合しないと一生分離で、腰痛や下肢痛と一緒に生きていかなければいけないと説明したが、悪い面は覚えていなかったみたい。クラブは休んでも、進級の問題もあって硬性コルセットで体育の授業はしまくっていたらしい。CTで骨折線が拡大し、MRIでの高信号(白)が消失傾向。すなわち骨は癒合しようとするのをすでにやめてしまっている、という事。もう、安静に意味はありません。

最近、この子のことがあってから「分離って、3か月で94%も引っ付くか?」と思うようになりました。腰椎分離症のup to date | 淡海せぼねクリニックブログ

A君は初期というより進行期ですね。「初期」を厳密に選定すれば94%なんでしょう。とりあえず11月、12月の外来での分離症患者をザーッと眺めました。

13歳のB君はCTで骨折線が不明瞭になってのMRI高信号の消退。癒合して落ち着いた、という事。Very Good。リハビリで硬性コルセットからスポーツコルセットに変えて、体幹筋肉鍛えつつ少しずつ課題をクリアーして運動に復帰しています。

そんじゃあ、A君はどうなるの? せぼねの後方にある椎弓が骨折している、機能していないという事は前方の椎間板に、より大きな負担がかかるという事。
腰部脊柱管狭窄症・ヘルニアの自然経過と私の手術適応 | 淡海せぼねクリニックブログ

鍛えられるのは筋肉のみ。姿勢も意識で改善できるので、このプラス要素が椎間板変性を上回れば辷りを来さないでしょう。(これをA君、わかってくれるかなあ。どうかなあ。まあ、ここでまとめたので、より伝えやすい。このコラムを読むように言おう。)

すべってしまったら、というところで50代男性Cさん登場。

15歳で分離確認、35歳から下肢しびれ、40歳から腰痛繰り返している。「しびれが全然良くならん」「そりゃあ、神経が圧迫されているからしびれが改善しないことは十分にありうるよ」

ここまで来たら神経は何らかの方法で除圧しなければなりません。FESSでの除圧術でも良いし、L5/S1椎体間固定術でもいいでしょう。ここの部分のFESS除圧、すなわちFELFは淡海せぼねクリニックのみでの経験で、最近104例になりました。これはこれで動画付きで今度まとめます。

A君がCさんのように辷りを来さないように、しっかりと指導せねば。コラム読んでね。

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