- 7月 14, 2025
腰椎疾患による下肢痛に対する研究
脚痛いのは横? 前? それとも後ろですか? 「全部」はなしでお願いしますね
2025年7月14日 月曜日、7:14AM
手術なので、あと少しだけ書きます。
藤枝時代のことを振り返ると、2年間でしたが、Drsがみんなとても一生懸命で、京都大学からの研修医が常に2人くらいいて活気がありました。私は人生の岐路でしたが、臨床的・学術的にガンガン攻めていました。つまりオペの習得と論文執筆、学会発表を頑張っていました。
そこでの代表的な仕事を紹介します。藤枝平成記念病院脊髄脊椎疾患治療センターの当時センター長だった花北先生は怒ると電話を投げるという噂でしたが、私の行ったときはそういうことはありませんでした。ただ、怖かったです。「俺は鹿児島出身だから、好きな言葉は『義を言うな』だ」って、朝の和やかな雰囲気でおっしゃられました。調べると「いろいろ言わんと、黙って結果を出せ」という上位ランキングに入るほどのパワハラワードです。今度、Z世代の人たちに言ってみようかなあ。「義を言うなよ」あーこわ、逆に。

戻ります。その花北先生が、私が赴任した時にすぐに与えてくれたのが「教科書に書いてある100年前の古い、報告されている皮膚髄節と、今の我々が診ている皮膚髄節と違いがあるので、調べなさい」

腰のヘルニアや狭窄症で1本の神経が障害されている可能性のある患者さん(単根障害例)の術前の痛み領域を調べて、術後に改善した部分はその神経根の痛み領域だろう、そのデータをまとめなさい、という事。鼻血出るくらい燃えてやりましたね。

単根障害だ、と思うと患者さんに自分で足に蛍光ペンで痛いところを描いてもらって、デジカメで撮って、あとからまとめる、というやり方。はじめはマジックでやっていたら看護師さんからも患者さんからも怒られた。100人を目標にしてたけど、どんどんいろんな条件で削られる、つまり股関節疾患がかぶっていたり、術後改善しなかったり、2本の神経根障害例だったり。結局73人(L3:13人、L4:20 人, L5:20人, S1:20人)でまとめました。


出てきたデータをどうまとめるか。痛みの場所をどう定義するか。結局、大腿・下腿を前面内側外側、後面内側外側のように4面で分けるのがいい、と考えました。その名残もあって、
私)「患者さんには足の痛みはどこですか」
患者さん)「全部」
私)「それ絶対言っちゃダメ、ちゃんと考えて、内側面はある?ないでしょ」
ってなるのです。
研究の結果、大きな発見がたくさんありました。そして、この研究はとても評価されました。英語にできなかったのは少し残念ですが、私は日本のDrに示したい、というのがモチベーションなので、これでいいのです。

この研究のことはいつか書きたいと思っていました。研究は大変でしたが、本当に人生にかかわる良いテーマを与えてくれました。ありがたい。花北先生にはいつまでも元気でいてほしいです。