- 7月 9, 2025
座って瞑想する事だけがマインドフルネスではない
『「今、ここ」に意識を集中する練習』(ジャン・チョーズン・ベイズ)
2025年7月7日 月曜日 朝
毎週土曜日にトリガーポイント注射しに来るNさん。注射する背中にはビューティフルなペイントがあります。病院では比較的おとなしいですが、コメダで会うと、「おうおうおう、〇✖+%*?*+&%!」、何を言っているのかいつもわからないのです。これはここだけではなく本人に直接言っています。しかし、コメダでは周りが友達いっぱいなので病院とは元気さが違います。みんな耳が悪いので本当に声がでかい。要は「久しぶりやのう、先生」という事らしいです。あと「今度行くからな」。声をかけられた私はコメダで小さくなっています。前回のコラムで書いた家の書斎でもいいのですが(書斎 電子カルテはいらない、窓が欲しい | 淡海せぼねクリニックブログ)、日曜日だといろいろ食べてしまいそうで。

私は意外に不安中枢である扁桃体が大きく、つまり何か気になるとどうでもいいことにこだわるところがあります(扁桃体はレモン大 マインドフルネス落第生といけてないリーダーあるある | 淡海せぼねクリニックブログ)。わかっているんだけど不安になる。反芻思考に陥る。ちなみに扁桃体は普通アーモンド大です。
クリニック開業って初めてですからね。助けてくれるありがたい人もたくさんいますが、うまくいかないこともある。社会的に守られた「勤務医」としてぬくぬくとやってきて、病院に不満を伝えればいい立場から、逆に文句を受け入れて改善しなければいけない立場になるのです。組織は判断を間違ったらガラガラと崩れます。そんな今だから「不安」は仕方がないかもしれない。でも負けたらだめ。意識的に対処しなければ。
そういう理由もあって、すこしにぎやかな日曜日のコメダで読んだ本は、マイブームであるマインドフルネスについて。 『「今、ここ」に意識を集中する練習』(ジャン・チョーズン・ベイズ)、小児科医であり、かつ禅の寺院の代表、瞑想の講師が書いています。

序章の部分で「マインドフルネスはエネルギーを節約する」
“心は「今、ここ」からチェックアウトしている時、次の3か所のどこかに行っています。
「過去」「未来」「空想の世界」です”
“意識が過去、未来、空想の世界へ繰り返し出かけていくことは、エネルギーの無意味な浪費です。そこから意識を引き戻し、実際にいろいろなことが起きている、この現在に落ち着かせることが大事です”

まず、この部分で引き込まれました。なぜって、先日ここで書いたデフォルト・モードネットワーク(DMN)と同じ事を言っているような気がしたから(ぼーっとすることは大事、嫌なことを反芻してはだめ、そして瞑想が大事 | 淡海せぼねクリニックブログ)。反芻すると脳のエネルギーが大量浪費される。意識的思考ではわずかエネルギーの5%しか使っていない。
自分もいつも疲れてすぐに寝付くが、時に夜中、うまくいかなかったことを反芻しながらもうろうとした頭で目が覚め、奥歯かみしめている時がある。そんな時はさっと起きてノートに問題点を書き出す。脳のエネルギー消費はデフォルトモードの60-80%ではなく、5%の意識的部分を使ってさっぱりとすればいい。
本編は53項目の具体的な練習があります。この中で、特に私が興味を持ったものを次回まとめてみますね。