- 4月 14, 2025
頭痛治療の最先端に触れてきました
こんにちは 2025年4月13日日曜日です。最新の片頭痛治療の話題を東京で拝聴してきました。
ホテル椿山荘、庭がすごかった。

抗CGRP抗体のエムガルティについての勉強会でした。
間違っているかもしれませんが、私が学んだことは


- 片頭痛で診断され、治療を開始している人はごくごくわずか。
- 片頭痛には頭痛による直接的な気分の悪化のみでなく、何らかの鬱誘発的機序がある。その為、頭痛外来では忙しい医者が数分で頭痛スコアをみて薬処方して終わるのではなく、事務、看護師が同世代(女性が多い)としての傾聴を行うことによって治療の効果は劇的に向上する。
- 縦軸HIT-6、横軸頭痛日数、もう一つは縦軸HIT-6、横軸MIBS-4の表を使い、面積で頭痛をとらえると数字単体よりよくわかる。例えば「この患者は非薬物治療を重視すべき」など。認知行動療法も望ましい。
- エムガルティ以外のCGRP抗体製剤は初回も2回目以降も1アンプル:12500円から13500円なのに、エムガルティは初回2アンプル使用:27000円、2回目以降:13500円。初回費用が高いのではないか、に対する答え。2アンプルだと適正な血中濃度に初月から到達できるが、1アンプルで開始すると適切な血中濃度に至るまでに4か月かかる。初月の値段は倍だが、時間は4倍速いから良い。
- 「高い」という患者の声には、「その頭痛がなくなるために1日当たり500円、高いですか?」と考えていただく。
- 片頭痛治療においては月に4日以下を目指すべき。そして頭痛の50%改善ではなく、crystal clear dayを目指すべき
- 反復性片頭痛から慢性片頭痛への移行(中枢性感作)をエムガルティは防ぐ効果がある。
- 予防は内服のみで、ある程度の改善までで我慢するのではなくて、月に4日以下、そしてcrystal clear dayを目指してエムガルティを投与することによって、数年先の慢性化を防ぐのが良い。
- 3年、5年と投与し続ける事にも十分な意味がある(改善し続ける、だったのか、詳細は思い出せない)。
- 内服、発作時に使用するレイボーはトリプタン製剤のように血管収縮を来さないので良い。
頭痛治療は最近でこそ脚光を浴びつつありますが、結構、勤務医からは地味で人気のない分野でした。開業してみてわかったのはこの分野の重要性です。今後も勉強し続けて少しでも頭痛患者さんの役に立ちたいと思います。
淡海せぼねクリニックでは上記のような頭痛外来を月曜隔週、そして毎週火曜から土曜日まで行っています。MRIを備えていますので、頭痛の患者さんには脳に何か隠れていないか、すなわち二次性頭痛の鑑別ができます。一方、健康保険での低侵襲脊椎内視鏡治療(FESS・DPEL手術)、骨粗鬆症性圧迫骨折に対するBKPセメント治療、そして保険のきかない椎間板レーザー治療、椎間関節リゾトミーに対しては自費手術も施行しています。すべて日帰りです。今週も8例の手術が予定されています。1例1例、心を込めて頑張ります。