- 2月 23, 2025
- 2月 24, 2025
1年間の右肘、手指痛、ひざ痛から救われた50代女性
頚椎症性脊髄症に対する内視鏡下椎弓形成術
2025年2月23日21:58です。
昨日は大阪で漢方の勉強会。普段クリニックからほとんど出ないので、たまに大阪京都あたりに遠征すると、うれしくてビールを飲んでしまいます。帰りの電車で寝過ごして彦根あたりでホテルを探していることが多いのですが、今回は大丈夫でした。
今日は頚椎、それも神経根症ではなく、より重症の脊髄症の患者様について紹介します。

1年前にうつ伏せで首を反った状態でゲーム、さらにくしゃみしたときから右2-4指のピリピリ感、半年前から右ひじ痛で眠れない、2週間前から右ひざも痛い。隣の県から紹介されてこられました。MRIでは脊髄の中(C5/6)にやや右に大きく白い部分を認めます。これは脊髄が損傷している所見(脊髄軟化:慢性の脊髄圧迫で細胞が抜け落ちてしまっている)がありました。C4/5、C6/7にも脊柱管狭窄があります。90%以上の外科医は切開手術の椎弓形成術を選択するでしょう。
- 多椎間である事→時間がかかる、技術的にも困難なために、本来は切開手術が望ましい
- 脊髄軟化がある→痛みやしびれが残る可能性が高い
以上を十分に説明しました。
しかし、すでに心は決まっているようで、当院で内視鏡手術を施行することになりました。当クリニックには長期入院できる許可病床がないので、基本的に遠方の方は近隣のホテルに泊まっていただくのです。その為、侵襲の大きな手術はできません。C5/6のみになるかもしれない、可能ならば上下に追加してC4/5/6/7椎弓形成を内視鏡下にできればいいけど、オペ時間が長くなれば少ないながらも筋肉のダメージが蓄積し、創部痛が生じる。血腫のリスクも増える。手術前の説明では「C5/6のみ、または手術時間によってはC4から7までやります」。
手術当日、ご両親とご兄弟、娘さんまで駆けつけてくれました。この日の4件目、最後のオペでした。16:40執刀、順調にいき、18:40にはオペ室退出、C4/5/6/7すべて出来ました。動画はその翌日の診察風景です。右ひじ、手指、右ひざ、すべて大幅に改善していました。そしてなんと「頚部痛がない」、1.7㎝切っているのに。頚を後ろに反っても首、肩、腕の痛みは出ません。良かった。CTでは除圧範囲は予想通りです。MRIではある程度血腫がたまっていますが、これはドレーンでもう少し抜けます。そして脊髄の除圧範囲は良いようです。
この患者さんは、3椎間除圧、翌日頚部痛なし、保険の内視鏡下頚椎椎弓形成術
これまで前任地では30例ほど、当院ではこの2年ちょっとですでに40例ほどのこの手術を行いました。皆様おおむね良好な成績です。いっぱいこの病気の患者さんが来てくれますが、頚髄を扱いますので、実際には毎回ハラハラしています。