• 1月 22, 2025

急に背が伸びた思春期男子、片手の筋力低下、それは平山病!

今日は令和7年1月21日です。
昨日、非常にうれしい出来事がありました。

職員さんにかわいい赤ちゃんが生まれたというメッセージがLINE WORKSで送られてきました。「育休後は復職します」、とありました。たまたま一番早くに確認し、とてもうれしかった私は、すぐに「おめでとうございます。待っていますね」(? なんやそら) この後皆さんからは赤ちゃんがかわいい、とか絵文字もいっぱい入れてたくさんのキラキラしたメッセージが並びました。

私はなんだか焦ってしまって、わけわかんない色気のないメッセージを送ってしまいました。恥ずかしい! とても人当たりの良い優しい職員さんで、患者さんからの評判が素晴らしいのです。開業前の面接の時からのことを思い出して、ジーンときました。産休前のあいさつでは、「手術室での仕事が楽しかった」、と言ってくれました。またお待ちしていますね。

さて、外勤に来てくれている小林先生の素晴らしいお仕事を紹介します。
脳神経外科医だけど整形外科が非常に好き、だそうです。専門は脊椎外科です。

患者さんは17歳野球少年。小学校から右手の握力が少ない。右利きなのに右のほうが弱い。小学校で握力左右差5㎏、中学で10㎏、高校で15㎏になった。実際に測定すると左50㎏に対して右29㎏。小学校の時は1年で身長が20㎝伸びたことがある。加えて半年前から右拇指の違和感があり、ゲームや勉強など、頚部前屈作業後に右手の違和感が悪化する。MMTでは右上肢全体に4程度の筋力低下を認め、この段階で早々に小林先生は平山病を疑い、県内の著明な神経内科に紹介されました。

MRIでは「頚椎前屈位で脊髄右側が扁平化」し、神経伝導速度・筋電図所見から右の脊髄前角細胞障害が疑われ、総合的に平山病が最も疑われる、とのことでした。

平山病は、①若年男子に発症し、②一側上肢、手に限局した筋力低下、筋萎縮、③初期は進行性、数年で停止する予後良好な疾患で、1959年に日本で初めて報告された病気です。

思春期に身長が急に伸びてせぼねの伸びに脊髄神経が追い付けず、脊髄・それを包む硬膜がピンピンに延ばされた状態で、頚椎が前屈する際に第5、6頚椎の部分で脊髄・硬膜が前方に押し付けられ、脊髄の中の血流が落ちることによって起こります

片方の脊髄前角という運動神経の塊の部分が障害されるために、一側上肢の筋力低下を認めます。当院では現在、頚椎カラーによる前屈制限、生活指導としてスマホを座って使用せず、寝て使うように指導しています。握力の著明な改善はまだありませんが、姿勢に気を付けているときは手の違和感はましだそうです。レントゲンもMRIもその目で見なければ見逃すと思います。私はこのような典型的な平山病は初めて経験しました。

日々精進、小林先生ありがとう。

淡海せぼねクリニック 0748-29-3339 ホームページ