- 11月 1, 2025
パンツにつくおしっこの話 「しゃーないだで」では済まされない
にょう神経外科 パート2 簡単に解消できる悩み
2025年10月31日 金曜日
脳神経外科学会総会に発表するためにAM6:12 近江八幡駅を出ました。
新幹線、大好き、集中できます。
昨日、手術前の患者さんに説明していたら、女の人ですが、「私、排尿症状は・・・・、コラム読んでいますよ」! 100点です。そのあとはルンルンで説明。結構読んでくれていますね。実は、その人にあんまり排尿の質問していなかったのです。なぜならL5/S1椎間孔狭窄、側弯のためにL5神経根のみ障害されるパターンだったのです。排尿に関係する仙骨神経が含まれている馬尾神経は障害されていない人だったからです。そうは言っても、先日も同じ疾患の女性を、術前からの尿失禁で泌尿器科に紹介しました。排尿は副交感神経支配です。簡単に言うと「リラックスしてないと出にくい」のです。ヘルニアなどで痛いとリラックスできずに残尿がたまっていて、それが溢流、漏れるんだろうなあ、とは思っています。腰椎神経根障害と排尿症状については15年前にしっかりと調べた範囲では報告はありませんでした。
おしっこについてこれは言わなければいけない! と強く思っていることがあります。それは排尿後尿だれ(滴下)のことです。

男性でパンツやズボンに排尿後におしっこが漏れてしまう人がいます。若い人でも見られ、30代男性の4人中1人に診られると報告されています。という事はイケイケの元アイドルでもありうるんです。
これは尿道を囲む筋肉の筋力低下が原因です。体の中の尿道の話なので、外の部分をぶるぶる振ってもダメなんです。簡単に言うと排尿後に陰嚢、つまり「肛門より前のほうを押せ、絞れ」という事。簡単でしょ。排尿後尿滴下で調べると、骨盤底筋を鍛えるとか、ライフリーつけろとか書いてありますが、嫌ですよね。とにかく、押せ。
なんでこの話を書きたいかというと、思い出があります。名誉のために少しぼやかしますが、毎年、年に2回くらい訪れる田舎の小さな家がありました。ある部屋ではぷーんと臭います。トイレもこぼしまくっていて、結構大変なことになっていました。当然その奥様もすごく困ってイヤーな雰囲気になります。ご本人にお聞きすると「しゃーないだで、漏れるだで」。私は「少なくともおしっこは座ってしなさい。そのうえで出し終わったらここを押しなさい」、と言いましたが、何を言っても、もう頭には入りませんでしたね。同居の人には嫌がられますよ。もう亡くなってしまいましたが。あー思い出すと切ない。なんか直せ、とかいうと絶対に直さない、意固地。好かれる努力しろよ、と思います。30年後の自分ですからねえ。本題とは関係ないですが。泣けてきます。
というわけで、いつもemotionalな淡海せぼねクリニック院長でした。